親知らずは抜歯すべきか?スポーツ歯科の目線で解説

親知らずの抜歯って痛いとか腫れるとか聞くけど、抜いたほうがいいのかな??

親知らずについての相談は結構多いです。「抜いたほうがいいですか~?」っていう相談の割に、抜きたくないという方がほとんどです(笑)

親知らずの抜歯については、”痛い””腫れる””大学病院に行ってくれと言われた”など、マイナスのイメージが強い事が原因ではないでしょうか?

親知らずの抜歯についてはドクターによって考え方が色々あるので、今回は【スポーツ歯科の目線で親知らずの抜歯】について書きたいと思います。



親知らずが原因で骨折の危険

一般的に、普通の生活で親知らずが原因で骨折が起こる事はほぼありません。

しかし、スポーツをしている人達はどうしても顔面への外傷のリスクが一般の人よりも高くなってしまいます。

親知らずを抜歯せずに残していることによって、親知らずが楔(くさび)となって顎の骨が折れてしまう事があります。

以前、格闘技RIZINで佐々木憂流迦選手が顎の骨を2か所骨折して手術を受けましたがそのうちの1か所はまさに親知らずの楔効果で骨折してると考えられます。

顎の骨が折れてしまった場合は、程度や折れた場所によって治療が変わりますが、チタン製のプレートを使って折れてる部分を固定したり、上の歯と下の歯を完全にワイヤーで固定して顎が動かないように固定する治療を行います。

その間は鼻からチューブを入れて流動食生活なので辛い期間を過ごさなくてはならないのは間違いありません。

親知らずは積極的に抜かない

少し前までは、親知らずの楔効果で顎の骨折が起こらないように積極的に抜歯をしましょう。

というのがスポーツ歯科的な考え方でした。

しかし、最近では少し考え方が変わってきていて、積極的に親知らずの抜歯は行わず、痛みなどの症状がなければそのまま残しておく方向へとシフトしています。

親知らずの楔効果で骨折が起きるようなケースでは、佐々木憂流迦選手のように下顎角部(一般的にエラと呼ばれる部分)の骨折がおきます。ここで骨折が起こるということは、外からの衝撃を骨が折れる事で吸収していると考える事ができます。

ビートたけしさんや千原ジュニアさんがバイク事故で顔面の複数の骨を骨折したにも関わらず、一命をとりとめたのも、顔面を骨折すことでクッションとなって脳へのダメージが軽減された為と言われています。

このような事から考えると次に起こる可能性があるのが顎関節(関節突起)の骨折です。

関節突起の骨折は顔面に受けた衝撃(特に顎の下からの力)が脳に伝わり、脳がダメージを受けるのを軽減するために起こると言われています。

忘年会シーズンに酔っぱらって階段でつまずいて、顎を下から突き上げられるように強打した患者さんが来院されて、両方の関節突起を骨折された方がいました。(きっと忘れられない忘年会になったでしょう。。。)

関節突起が骨折してしまうと治療法はなく、自然に折れた骨が繋がるのを、口が開かなくならないように開口訓練(口を開ける訓練)を行いながら待つしかありません。将来的に折れた部分は偽関節として日常生活に問題がないように機能してくれる事を目指しますが、咬み合わせのズレや口が開きにくくなったりなどの症状が残ることがあり厄介な骨折です。

それに比べて、下顎角部の骨折は折れた部分をチタン製のプレートとボルトで固定し治癒を待つことが出来るので比較的予後がよく、関節突起の骨折により咬み合わせなどに影響が出るよりかは、親知らずを残しておいて、下顎角骨折が起きた方が予後がいいので積極的に抜歯は行わない。という考えかたが主流になっています。



抜歯を勧めるケース

もちろん、親知らずの抜歯を勧めるケースもあります。

特に、アスリートの場合は、親知らずの管理を怠ると試合前に激しい痛みに襲われてしまって試合に集中できなかったり、パフォーマンスに影響が出てしまう可能性があります。

そうならない為にも、きちんと検診を受けて、親知らずを抜歯すべきなのか保存すべきなのかをきちんと診断してもらうようにしましょう。

親知らずが大きな虫歯になっている

親知らずが大きな虫歯になっている場合は抜歯をお勧めします。

虫歯は自然に治癒する事はありません。逆に進行します。大きな虫歯が神経に達してしまうと強烈な痛みが出てしまいます。

お口の中の状態によっては虫歯の治療を行うこともありますが、一番奥の歯なので治療用の器具が届かなかったり、正確な治療が困難な為、抜歯を勧めるケースが多いです。

虫歯が進行して歯がほとんど残ってない状態になってしまうと、抜くのも難しくなってしまいます。

定期的な検診を受けて、まずは虫歯にならないように!虫歯になってればきちんと治療を受けるようにしましょう。

痛みや腫れを繰り返している

親知らずは一番奥の歯でどうしても清掃が行いにくいです。

特に、斜めにはえてたりすると、汚れが溜まりやすく、歯肉に炎症が起きてしまい痛みが出て、腫れてしまうケースがあります。

このケースは一度起こると、何度も繰り返してしまうことが多いです。何度も繰り返していると手前の歯を支えてる骨まで溶かしてしまったり、健康な歯に悪影響を与えてしまうので、虫歯になっていなくても抜歯を勧めます。

痛みが出て腫れている時は、基本的にすぐに抜歯は行いません。一度、抗生物質と痛み止めを処方して炎症がおさまったから抜歯を行う事が多いです。

炎症がある状態で抜歯を行うと、麻酔が効きにくく出血も止まりにくいので痛みが出たからと言ってすぐには抜いてもらえない事が多いです。

一度、腫れや痛みを経験されている方は、次また痛みが出る前に抜歯をすることをお勧めします。



手前の歯の虫歯の原因になっている

親知らずが原因で手前の歯が虫歯になってしまうケースも少なくありません。

この場合、手前の歯の虫歯の治療を最優先に考える事が多く、手前の歯の虫歯の治療の邪魔になる場合は積極的に抜歯をお勧めします。

親知らずを残すメリット

親知らずを抜歯せずに残すメリットは最初に書いた、顎関節突起の骨折の予防の他にもあります。

万が一、他の歯が抜歯になってしまった場合に、親知らずを移植する事ができます。(※親知らずの状態や抜いた部分の状態次第で出来る場合と出来ない場合があります。)

親知らずの移植ができれば、インプラントやブリッジに頼る事なく、自分の歯で食事をすることができます。また、残りの歯の本数によっては親知らずを移植することで義歯にならずにすむケースもあります。

また、今後は親知らずが健康であれば、親知らずの健康な歯髄(歯の神経)を使って歯を再生することも可能になるかもしれません。

いずれにしても、親知らずを含め自分の歯を健康に保つ努力をしましょう!!

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